日にち 10月5日
場所 手向山八幡宮・転害門
転害会(てがいえ)は、東大寺境内にある手向山八幡宮のお祭り。ハデさはないですが、本格的な神事が手向山八幡宮と国宝の転害門でも見られるほか、国宝の特別開扉もあります。
まずは手向山八幡宮での神事。雅楽が鳴る中、神官が食事やお酒などを供える、いたってオーソドックスな神事ですが、古式ゆかしく行われます。
その後、東大寺の西北の入り口、国宝の転害門に場所を移して「第2部」。転害門のまん中におみこしを置いて、お供えを並べます。手前の左右には、なぜか獅子舞のお獅子が置かれます。狛犬の代わりでしょうか。ここでも、手向山八幡宮でのときと同じように神事が行われます。
転害門は、ふだんはサクが閉まっていて入れませんが、この日は、神事の前後に中に入って見られます。東大寺でも数少ない、奈良時代から残っている建物だけに、間近で見られるのは貴重です。
転害会の日には、ふだんは見られない国宝の「僧形八幡神像」も公開されます。もともとは手向山八幡宮にあった「ご本尊」で、今は大仏殿の西にある勧進所(通称「赤門」)にあります。勧進所もふだんは非公開で、転害会の日だけ中に入ってお参りできて、これも貴重。
お祭り自体は地味で、めずらしくもないですが、ふだん入れないところに入れたり、見られないものが見られたりと、なかなか貴重な体験ができる1日です。