日にち 6月17日
場所 率川神社
三枝祭は、日本最古のお祭りとも言われる率川(いさかわ)神社のお祭り。別名「ゆりまつり」とも呼ばれて、神様ゆかりのユリが主役の行事です。美しい伝統の神楽や、華やかな行列が見どころ。
まずは神事。独特なスタイルの神饌(しんせん:神様の食事)と、たくさんのユリで飾った入れ物に入った白酒・黒酒をお供えします。祝詞などの後、4人の巫女さんが、ユリの花を持って「うま酒みわの舞」という神楽を舞います。いかにも古式ゆかしい、美しい神楽です。その後、白酒・黒酒が振舞われます。
午後は、奈良の伝統行事によくある、色とりどりの衣装を着た練り行列がはじまります。「七媛女(ななおとめ)・ゆり姫・稚児行列」と呼ばれる行列です。「七媛女」・「ゆり姫」と呼ばれる伝統衣装を着た女性やお稚児さん、それにユリの花がたくさん乗った山車を子供たちが引っぱって、奈良の市街地を練り歩きます。途中で、ユリの造花の配布あり。
とにかくユリの花が大活躍のお祭りですが、率川神社にまつられている神様(神武天皇の皇后)が住んでいた三輪山のふもとには、ユリがたくさん咲いていたとか。それで、ユリの花をたくさん使って神様に喜んでもらおう、というわけです。
三枝祭は、飛鳥時代には始まっていたという由緒正しいお祭り。疫病を鎮めるために始まったと言われています。梅雨にも入る時期ですが、ユリの香りが漂うなか、古式ゆかしい神楽や行列が楽しめる、古都らしい行事です。