奈良の鹿にもいろいろなタイプがいます。居場所によって性格が分かれるので、知っておくと、遊ぶにもお弁当を食べるにも何かと便利。
人間と同じで、鹿も1頭1頭性格は違うでしょうが、ここでは大きく3タイプに分けてみます。
1)鹿せんべい屋の近くにいる鹿
「奈良公園3大名所」の東大寺・興福寺・春日大社には、観光客の多いところに鹿せんべい屋が出ています。そのまわりには、当然のように、買ってくれるのを今か今かと待ち構えている鹿たち。こういうところにいる鹿は、積極的に鹿せんべいをもらおうとしているわけで、「食い意地のはったヤツら」といったところでしょうか。
鹿せんべい屋の近くにいる鹿は、とにかく人なつっこいです。近づいても、逃げるどころか逆に近寄ってきて、おねだりします。鹿せんべいを持っていようものならもうたいへん。鹿と遊びたいなら、いちばん向いているエリアと言えるでしょう。一方、ベンチもあったりしますが、お弁当を広げたり、何か食べるにはちょっと不向き。鹿の容赦ないおねだり攻撃を受けること必至です。こういうところで歩いたり休憩したりするときは、ガイドマップや袋などを食べられないようにしましょう。
2)鹿せんべい屋がないところにいる鹿
名所でも、ちょっとコースを外れた静かなところや、浮見堂周辺や飛火野など穴場的なエリアは、鹿せんべい屋がないことが多いです。こういうところにも鹿はいますが、性格はうって変わっておとなしい感じ。木陰で休んでいたり、のんびり歩いていたり、平和な雰囲気が漂っています。
お弁当を広げるなら、こういうエリアがおすすめです。時々近づいてくる鹿もいますが、ちょっと遠巻きに見つめられるくらいで、何もくれないと分かると、そのうちいなくなります。素通りすることもあるくらい。逆に、鹿と遊ぼうとすると難易度は高いです。鹿せんべいを持っていれば、中には近づいてくる鹿もいますが、何も持たずに近づくとすぐ逃げちゃいます。
3)山の中にいる鹿
奈良公園だけじゃなくて、東側に連なる若草山や春日山にも、鹿がたくさん住んでいます。こっちのほうが本来のすみかかもしれないですね。
若草山の山頂あたりにいる鹿は、上の2)に近い感じですが、木がうっそうと茂る春日山にいる鹿は、ずっと警戒心が強いです。遊歩道を歩いているとき、見通しがきかないこともあって、なかなか鹿がいるのに気づかないんですが、向こうはずっと前から気づいています。たいして近づいていなくても、ある程度の距離になると一気に逃げだして、逃げる音がして初めて気づくぐらい。鹿せんべいを持っていたとしても、たぶん近づいてこないでしょう。
まとめると、
- 鹿と遊ぶなら、観光地の鹿せんべい屋付近
- お弁当を広げるなら、観光コース外れや穴場スポット
- 本来の野生の鹿を観察するなら、春日山